今回は平均サイクルタイムの計算について解説します
Genkanのデータアナリストとして工場の原価分析を行っています吉田 充慧と申します。よろしくお願いいたします。
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まずサイクルタイムとは、1回のまとまった作業にかかる時間のことをサイクルタイムと言います。
例えば一回の作業というのはまとまった数、20個30個なりができて前一箱みたいなイメージになります。
そのように1回の作業で製品が複数できることがしばしばあるので、製品一つを生産するのにかかる時間とは異なっています。
では実際に次のようなデータに対してサイクルタイムの平均値を計算してみましょう 。
弊社ではこのようなデータを作っています。
yyyymm | product | process | day | start_time | work_sec | name | quantity |
2020/06 | 製品A | 工程A | 6/22 | 15:39:20 | 100 | A | 10 |
2020/06 | 製品A | 工程A | 6/22 | 15:45:12 | 120 | B | 20 |
2020/06 | 製品A | 工程A | 6/22 | 15:48:45 | 140 | B | 20 |
2020/06 | 製品A | 工程A | 6/22 | 15:50:52 | 110 | C | 30 |
2020/06 | 製品A | 工程A | 6/22 | 15:55:31 | 130 | A | 30 |
- yyyymm : 生産年月
- product : 製品名
- process : 工程名
- day : 生産日
- start_time : 生産開始時刻
- work_sec : サイクルタイム
- name : 担当者名
- quantity : 生産個数
こちら一列が1サイクルになっており、各列それぞれ1サイクルでquantity個生産していて、サイクルタイムはその生産にかかった時間になっています。
平均値の代表的な計算方法は全てデータの和とそのデータ数で割ることで計算できます。そうするとここでの平均サイクルタイムは120秒となります。
この計算方法は算術平均といます。
これは生産個数の情報を含んでいないため、適当とは言えません。データが複数の属性取得しているのでそれらの情報を使った方がより正確な意味のある平均値を計算することができます。
ここでいう正しい平均値の計算方法は加重平均という統計量を使うものです。これは上記スライドの式で計算できます。
生産個数の情報であるqを含めて計算することによって二つのデータに対して平均を計算します。一つのデータではなく二つの情報を持つ平均値が算出されます。
実際に加重平均を計算すると121.8秒になります。
結果として算術平均で計算した平均サイクルタイムと加重平均で計算したものはあまり差はない1.8秒しか差がないんですがまこれからのデータのばらつきがあったり、そもそもデータ量が多くなったりするともっと加重平均の意味がより的確にデータを説明することができます。
以上が正しい平均の計算についてのとなります。
わかりにくい点、追加で説明して欲しい点などありましたらお気軽にコメントいただければと思います。
逐次更新させていただきます。よろしくお願いいたします。