Genkanのデータアナリストとして工場の原価分析を行っています吉田 充慧と申します。よろしくお願いいたします。
今回はストップウォッチによる問題点について解説していきます。この記事は二つのパートに分かれています。
- ストップウォッチの問題点
- 原価に関わる問題点
- まとめ
上記の順で解説していきます。
ストップウォッチの問題点
原価計算研究会前会長でGenkanのアドバイザーでもある一橋大学教授の尾畑 裕先生はストップウォッチの問題点について以下の点を述べています。
1.通常の作業とは異なる効率のサイクルタイムを測定してしまう問題
これは測定されているという感覚が作業者の平常時のサイクルタイムを観測できない可能性にあります。
身体測定や部活の試合のように緊張してサイクルタイムが遅くなったり、また平常時より早くなったりします。
このように心理的問題があります
2.サンプル数が足りない問題
ストップウォッチでの計測は多くても数百個。また複数の担当者で行っている場合などはそれらの要素を正確に計測することができない可能性があります。
またサンプル数の少なさは統計的に大きな問題になります。(大数の法則)
→統計的問題
3.計測にコストがかかる問題
統計的問題を解決するために、多くのデータをとる必要がありますが、当然計測はタダではありません。
データ量と計測にかかるコストはトレードオフの関係があります。計測に何日もかけるのはその分の人件費やその間にできる作業を考えると原価を下げるためにおこなうのは得策ではありません。
IoTはこの問題を解決します。人の作業による計測は費用的問題があります。
上記問題によって起こるさらなる問題
心理的、統計的、費用的問題によって考えられる問題は正確な統計量を計算できない可能性にあります。
正確な統計量を計算できないことは当然原価にも影響を及ぼします。特に見積原価に重大な影響があります。
以下にそのフローを作成しました。少々大袈裟ですがこのようになります。
まとめ
ストップウォッチの問題点は心理的、統計的、費用的問題があります。
この問題は見積原価に大きな影響を与える可能性があり、結果として納期に間に合わなくなる可能性があります。
次の記事で統計的問題について掘り下げていくのでぜひご覧ください。