商的工業会計は丼勘定方式とも呼ばれ、原価計算を採用していない中小の企業では大抵これが用いられている。
- 商業簿記で売上原価や売上利益を計算するもっとも簡単な方法は、混合勘定として商品勘定を利用する方法であるが、この「商品」を「製造」にして勘定を出したものが丼勘定の原型である。
- 計算方法は棚卸計算方法に基づいている。
商的工業会計の欠陥と原価計算の誕生
- 商的工業会計の長所は、計算事務に手間がかからず、そのため事務費用が少なくてすむという点にある。
- 企業の規模が小さい場合には経営者が工場を歩き回ることで状況を把握し、必要な時に命令を下すことができることから、商的工業会計でも十分である。
- 丼勘定方式では、製品別の実際原価が不明であるから、売価決定に役立つ原価資料がえられないという短所がある。
-丼勘定方式には会計期間の途中では、企業が儲かっているのかさえわからないという短所がある。 - 丼勘定方式では、製品別の実際原価が不明なので、どの製品が儲かっているのかが分からないという短所がある。
見積原価計算へ続く
参考
岡本清(2000) 原価計算 国元書房